走る喜びと身体づくりを共に学ぶ、義足ユーザー向け「オットーボック・ランニングクリニック2025」 開催報告

2025年10月24日〜26日に東京大学駒場キャンパスにて、義足使用者を対象とした「オットーボック・ランニングクリニック2025」が、東京大学スポーツ先端科学連携研究機構(UTSSI)の後援のもと開催されました。
オットーボック社は義足部品の製造・販売における世界最大手企業であり、国際パラリンピック委員会のワールドワイドパートナーとして世界各地でパラスポーツ支援を展開しています。また多くの下肢切断者の皆さんに、スポーツを体験し、⾛る喜びを感じる機会を持ってもらえるよう、「ランニングクリニック」を世界各地で開催しています。日本での開催は2015年に開始され、東京大学では2017年、2022年、2023年に続き4回目となりました。
義足ユーザーの参加者と世界で活躍するパラアスリート講師たちが集合
今回のクリニックには義足ユーザー9名(男性5名・女性4名)が参加し、のべ約70名の見学者が来場しました。
世界で活躍するパラアスリート3名が講師を務めました。
- ハインリッヒ・ポポフ氏(ロンドン2012/リオ2016 パラリンピック金メダル)
- 山本篤選手(北京2008/リオ2016 パラリンピック銀メダル)
- 兎澤朋美選手(東京2020/パリ2024 パラリンピック入賞)

山本篤氏、オットーボック・ジャパン社長・深谷香奈氏
3日間の充実のプログラム
参加者は3日間にわたりトップアスリートから技術面・マインド面の両方について直接指導を受けました。
初日はオリエンテーションとして自己紹介と交流を実施、2・3日目はあいにく雨天だったため、第2体育館で屋内トレーニングを中心に行われました。
内容:
- ランニング用板バネ義足の装着
- 歩行 / ランニングフォーム練習
- 体幹トレーニング
- ボールを用いた身体操作トレーニング
- 走行の実践
- 修了式
普段はなかなか鍛えていない体幹のエクササイズや⾛⾏練習に、参加者は汗をかきながらも、楽しみながら熱心にプログラムに取り組みました。

クリニックで得られた学びと今後の展望
講師陣からは、きちんと⾛るためには、反発のある板バネ義⾜をしっかり⾃⾝でコントロールし、まっすぐ脚を上げて歩くことが第⼀であり、そのためには体幹をしっかりと鍛えることの重要性が強調されました。体幹の意識をもつ⽅法の⼀つとして、お尻でコインを挟むようにしっかりと締めるイメージを指導。義⾜を使って歩く・⾛ることの基本として、⽇常の歩⾏から競技までの幅広いレベルにおいて、義⾜ユーザーの共通した課題として提⽰していました。
本ランニングクリニックを通して、誰もが⾛ることを楽しみ、QOL 向上へとつなげていくことを促進するとともに、多くの⾒学者の参加により、障害のあるない問わずスポーツを通して⼈々が交流する機会の創出にもつながり、スポーツによる共⽣社会の創出の1 つのモデルケースといえます。今後の継続的な展開につなげていきたいと考えています。

なお、本イベントについては、開催前後にのべ100社からニュースとしてウェブ掲載され、多方面から注目を集め、社会的関心の高さがうかがえました。
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