挨拶文
現代社会においては、地球温暖化、少子高齢化、AIテクノロジーの急速な進展など、多くの要因が複雑に関係することにより、人々の生活および労働環境が大きく変化しています。農業分野においても、温暖化や高齢化の影響を受け、農作業の機械化・自動化による労働負荷の軽減が図られていますが、依然として手作業と機械作業が混在する状況が続いています。そのため、労働環境を改善し、心身の負荷を軽減するための新たな支援策が求められています。
このような社会的課題の解決に向けて、東京大学スポーツ先端科学連携研究機構「身体性情報ネットワーク(クボタ)寄付研究部門」では、最先端のセンシングデバイスから得られる身体情報ネットワークを活用し、多様な環境下での労働に従事する方々を対象として、健康維持ならびに疲労からの回復のための心身コンディショニング方法を開発します。本研究から得られる成果は、農業に従事される方々だけではなく、青少年から高齢者、障がい者を含むすべての人々に実装可能な技術として応用できる可能性を有しています。これにより、健康寿命の延伸、ダイバーシティ社会の実現に貢献 し、さらには一般社会への幅広い応用が期待されます。
本研究を通じて得られる学術成果を、人類社会へ還元し、持続可能な未来を支えるための一助とすることを目指して参ります。 皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

(東京大学大学院総合文化研究科 教授・UTSSI副機構長)
部門長紹介
東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻生命環境科学系修了、博士(学術)。2002-2003年米国コネチカット大学知覚と行為の生態学研究センター客員研究員。東京大学大学院総合文化研究科助手、助教、准教授を経て2022年より同教授。
2010年日本トレーニング科学会研究賞、2019年日本発達心理学会学会賞、2020年人工知能学会研究会優秀賞を受賞。現在、国際スポーツ心理学会理事、日本スポーツ心理学会副会長、日本体育・スポーツ・健康学会代議員、International Journal of Sport and Exercise Psychology 誌 Associate Editor、Scientific Reports 誌 Editorial Board Memberを務める。